行って帰って。

イルカは音で周りと自分の位置関係を把握する。

自分で音を発して、跳ね返りを耳で聞く。

カメラは光で周囲の状況を記録する。

自分で光を発して、跳ね返りを鏡で反射させてフィルムに焼きつける。

機械も自分の位置を知ろうと思ったら、

光を出してセンサで拾ったり、

空より上にいる人工衛星に教えてもらったり、

僕らが直接機械に打ち込んで教えてあげたり…

人は目隠しすると両手で周りを探り出す。

触覚を使って周りの状況と、自分の所在を突き止めようとする。

僕は目隠ししてないのに自分の場所がわからない。

というより、人は誰しも自分の場所なんてわからない。

誰よりも自分のことを知っている自分でも 客観視した自分のことは誰よりもよく知らない。

自分の現在地を把握するには外からの情報に頼るしかない。

他人同士確認し合う。

鏡に跳ね返る自分を確認する。

自分の過去の痕跡を発見する。

じどり。

どれだけ外部に頼ってもほんとに自分を見たことなんてない。

経由した情報は正しいのか。

我思う故に我あり。方法的懐疑において自分以外に確実はない。

正しい情報が常に求められている訳でもない。

じどり。広告。

皆猫をライオンに見せる。

エゴイズムから生まれる正当な偽。

脱線。修正。

自分の背中なんて見たこともないのに自分のモノ。

自分で自分は確認できない。

僕の今の所在は僕の認識とズレてやしないか。

最近の悩み。